釜出し一番石鹸ができるまで
十一十二十三十四十五
 
 
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一、仕込み(一日目)
 
これから「釜出し一番石鹸」ができるまでを紹介するね。まず最初に仕込みタンクで原料の牛脂とヤシ油を水蒸気で溶かして配合させ、石鹸の素を作るんだ。配合比は長年の経験で培った秘伝なんだよ。
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二、鹸化〜けんか〜?(二日目)
 
配合・精製された油脂を鹸化釜に送ります。ここでは油脂を蒸気で加熱しながら炊いて、苛性ソーダ液をバケツで注入するんだ。このタイミングは、石鹸の色・硬さを決めるとても難しく重要な工程なんだ。
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三、鹸化〜けんか〜?(二日目)
 
鹸化釜で炊いた原料の油脂は、生き物のように急に沸騰して釜からあふれそうになることもあるんだ。そんな時は素早く冷水を入れて静めるんだよ。苛性ソーダも、釜の状態を見てテンポ良く注入するんだ。
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四、塩析〜えんせき〜・静置(二日目)
 
鹸化釜にお湯で溶かした食塩水を入れて攪拌(かくはん)を止め、次の日(24時間)まで静置しておきます。そうすると食塩が分離して、釜の下に廃液(水分・苛性ソーダ・塩・不純物)がたまって汚れを取ってくれるんだ。
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五、攪拌〜かくはん〜(三日目)
 
塩析法(えんせきほう)で不純物と分離してできた純粋な石鹸の原液を汲みだして、攪拌器(かくはんき)に移します。ここで原液を良く練り上げて、良質な石鹸にするんだよ。昔は櫂棒(かいぼう)という木の棒を使って4〜5時間、かき回し続けたんだ。
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六、枠出し〜わくだし〜(三日目)
 
縦40cm、横50cmの鉄製の型枠に、攪拌(かくはん)した石鹸を流し込みます。一つのタンクからだいたい22個ぐらい、石鹸のブロックを造るんだよ。型枠に流し込んだ石鹸は、鉄製の棒でよくかき混ぜた後、二日かけて冷まします。
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七、枠抜き〜わくぬき〜(五日目)
 
二日かけて冷ました石鹸を型枠から抜き出します。型枠から抜き出した石鹸はブロック状に冷えて固まっていて、まるで真っ白なお豆腐みたいなんだよ。このひとかたまりのブロックから300個の石鹸が造れるんだ。
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八、段切り〜だんぎり〜(五日目)
 
大正時代から使っている2寸6分(約8cm)の高さの木枠を石鹸のブロックに通し、ピアノ線を使い2人で水平に切り出します。木枠のフチは、ピアノ線で磨り減らないように真鋳(しんちゅう)が貼ってあるんだ。この方法は大正時代から変わってないんだよ。
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九、棒切り〜ぼうぎり〜(五日目)
 
段切りした石鹸板を切り台にのせ、棒切り枠に向って押出します。ここで石鹸板を6本の棒状に切り出すんだよ。棒状に切り出した石鹸は、さらに乾燥させるんだ。この棒切り枠も創業時からの道具なんだって。
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十、駒切り〜こまぎり〜(六日目)
 
乾燥させた棒状の石鹸を、再び切り台の上に横向きにのせて、仕上用の枠に向けて押し出します。棒状の石鹸は、この駒切りの作業でみんなが普段つかっている「釜出し一番石鹸」の寸法に仕上がるんだよ。
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十一、乾燥(六日目)
 
駒切りされた石鹸は、木製のトレーにきれいに並べた後、熱乾燥庫に入れて良く乾燥させます。熱乾燥庫の中の温度は50度くらいあって、24時間かけて石鹸を乾燥させるんだよ。
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十二、成形・プレス(七日目)
 
乾燥後、仕上げに一個一個手作業で面取りをして、トレードマークの僕の顔と「釜出し」という文字を型押し機でプレスします。プレスを終えた石鹸は、再びトレーに並べて仕上げの乾燥をするんだよ。
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十三、包装(八日目)
 
よく乾燥させた石鹸を一個ずつ包装機械にかけてフィルムに包みます。
釜出し一番石鹸は、できたてを包装するので、呼吸ができるよう包装フィルムに小さい穴を開けているんだって。
一つ一つ丁寧に作業しているんだよ。
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十四、箱詰め・出荷(八日目)
 
箱詰めした「釜出し一番石鹸」は、仙台の三百人町の工場から宮城県内はもちろん、北は北海道、南は沖縄まで全国各地に出荷されてるんだ。
日本中の人々に「釜出し一番石鹸」は親しまれているんだね。
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十五、おつかれさまでした。佐藤社長
 
1個の「釜出し一番石鹸」ができるまで8日間もかかるんだね。この造り方は80年前からかわらないんだよ。僕を汗だくで造ってくれるお父さん。いつまでも体に気を付けて皆に喜ばれる石鹸を造り続けてね。
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